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お嬢様♡レッスン

第74章 星空の下で

美味しい料理に舌鼓を打ち、会話を楽しむ。

綾芽がこの船に乗って、何より嬉しかったのは、葛城と自分が『恋人同士』として周りに認識されている事だった。

ディナーを終えると、二人は船尾の方の甲板へ涼みに出てみる。

「うわぁ…!!」

天に広がる満点の星達。

建物の灯りが一切ない、暗い海の上を滑る船は、まるで星の海の中を航行している様だ。

幼い頃から日本各地を転々とし、田舎の町でも暮らした事のある綾芽。

田舎の星空も空気が澄んでいて綺麗だったが、やはり、建物や山がある。

360°の大パノラマで星を見たのはこれが初めてだ。

「綺麗…」

うっとりしながら天を仰ぎ見る綾芽。

「寒くはありませんか?」

綾芽と手を繋ぎ、隣に立つ葛城が彼女を心配して声を掛ける。

綾芽が身に着けているのは、イブニングドレスとその下のファンデーション(下着)のみ。

風を切って走る船の甲板の上では、流石に寒そうな出で立ちである。

「少し…寒いかも…」

綾芽が答えると、葛城は自分の上着を脱ぎ、彼女の肩へと掛けてやる。



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