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お嬢様♡レッスン

第75章 突然のトラブル発生。そして…

「はい!有難うございます」

まだまだ、勉強しなければならない事は沢山ある。

東乃宮グループを背負って立つには、自分は未熟だ。

夫となる予定の葛城は優秀であり、彼に任せておけば問題はないのだろうけれど。

一緒に歩いて生きたい。

彼と同じ場所に立ち、苦労も喜びも全て分かち合えるパートナーになりたい。

そう綾芽は思い、頑張ろうと心に誓った。

食事を終えると二人はサロンに移動した。

このサロンにはピアノが置いてある。

綾芽は今まで練習した成果を葛城の前で披露した。

速水の教え方が上手かったのか、綾芽のピアノの腕は、かなり上がったのだが、未だ弾ける曲数は少ない。

それにアップテンポな曲では、まだまだ技術が追い付いていなのは否めない。

唯、表現力に於いては目を見張るものがあった。

楽譜に書いてある事であれば、技術があればそれの通りに弾く事は出来るが、曲の背景等を読み取り、それを表現するのは、弾く者の個性に由る。

どうやら綾芽はそれが優れているらしい。

葛城は綾芽の演奏を聴きながら、そう思った。

そうやって、二人の午後の時は優しく流れて行た。


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