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「そう。国外で知り合って、遠距離恋愛は辛いから君を呼び寄せたって事にしようと思っているんだけど…。駄目？」

ただでさえドキドキする程美しいウィリアムが、綾芽の顔を上目遣いで見ている。

長い睫毛に縁どられた深い青い瞳に捉えられて、綾芽は身動きが出来ない。

（こんな素敵な人の婚約者だなんて…。いいのかな…？）

心拍数が上昇し、顔が熱くなる。

赤い顔を見られるのが恥ずかしくて、綾芽は俯く。

「嫌…かな？」

少し寂しそうなウィリアムの声に、綾芽ははっとして顔を上げる。

自分はこの人に買われた身だ。

これは仕方のない事だ。

そう自分に言い訳しながら綾芽は頷いてしまった。

「良かった。それじゃあ、今日から恋人同士に見える様に、寝室は一緒でも構わないかな？」

「えっ！？そ…それはっ…」

「嫌？」

再びウィリアムの上目遣い攻撃に、綾芽はこれ以上ないくらいに脈が速くなるのを感じた。

（う…。何か断れない…）

「大丈夫。君の嫌がる事はしないから。ね？」

そう言って微笑むウィリアム。

綾芽は結局、彼の笑顔と上目遣いに負けて、寝室を共にする事も承諾してしまった。