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お嬢様♡レッスン

第83章 夏の訪れ

「え?」

晴れた日の朝。

綾芽とウィリアムはテラスで朝食を摂っていた。

「ふふ。よく聞こえなかった?来週から夏休みで僕の弟が、ここに戻って来るんだ」

「弟さん…。イートン校で学ばれてる?」

「そう。夏休みの間は、ここで過ごす事になってるんだ。ここは彼の家でもあるからね」

「私、お邪魔なんじゃ…」

「そんな事はないよ。君も一人で過ごして分かってるでしょ?一人じゃ寂しいって」

「そんな事は…」

「ごめんね?あまり一緒に居て上げられなくて。彼が帰って来たら、少しはそれが紛れると思うよ?」

ウィリアムはそう言うと微笑んで綾芽の手に自分の掌を重ねた。

「それから、明後日から暫く仕事で国を離れるから。いい子でいるんだよ?」

「どのくらい?」

ウィリアムの言葉に不安そうな目で彼を見ながら綾芽は尋ねた。

「二週間くらいかな?お土産、買ってくるね?」

そう言いながらウィリアムは綾芽の指先に口付ける。

「お土産は要らないですから…。早く帰って来て下さいね?」

一番頼りになる人が、海外に出てしまうのは、心もとない。




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