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お嬢様♡レッスン

第84章 ロートマン子爵の謀

「分かっているとは思うけど、僕が許可するまでは、絶対に彼女が何者であるかを他の誰かに話してはいけないよ?ヘンリーにも、勿論、桜子本人にもね?」

「分かってるよ。兄さんの為だもの…」

「ふふっ。いい子」

ウィリアムはそう言って笑うと、フレデリクの金糸に口付けを落とした。

「兄さん?」

「なんだい?」

「今夜は一緒に寝てもいい?」

フレデリクは久々に逢えた兄に、甘えた声で強請る。

しかし、ウィリアムの返事は歯切れが悪い。

「あー…。ゴメン。今夜は駄目なんだ」

「どうして?」

「桜子と一緒に過ごす約束だから…」

「さっきあの女より、僕の方が大事って言ったじゃない!」

「それはそれ、これはこれだよ?彼女は僕に心を許し始めている。今の内にそれを確実なものにしておきたいんだ」

「あの女を抱くの?」

少し不機嫌そうに眉を吊り上げるフレデリク。

弟のそんな様子を見て、溜息を吐くウィリアム。

「フレデリク。幾ら弟でも、僕のセックス・ライフに口を出されたくはないな」

「ごめんなさい…」




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