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そう言うとウィリアムは書斎にフレデリクを残して去っていく。

フレデリクは兄を取られたような気がして面白くなかった。

あんな女の何処がいいのか。

兄が日本の技術を取り入れたいと思っているのは知っている。

東乃宮コンツェルンは様々な特許を取得し、新しい技術をどんどん開発している事も耳にしている。

だったら、あんな女の力を借りずに普通に取引すればいいのに。

フレデリクはそう思った。



彼は未だ知らない。

この夏の経験が、彼を大きく変える事を。

そしてそれに綾芽が大きく関わって来る事を。