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お嬢様♡レッスン

第87章 執事の計略Ⅲ(ヘンリー編)

決行は、注文した商品が全て揃う明後日に決めた。

ヘンリーはワクワクしながら、その日を待つ。

彼の企みを知らないフレデリクは、お茶を楽しみながら、庭を眺めていた。

美しいイングリッシュ・ガーデンはロートマン家の自慢でもある。

専属の庭師のいないロートマン家では、著名なデザイナーと契約し、そこに管理を任せている。

季節ごとに咲く花々は、住む者達の心を和ませてくれる。

ふと、庭の隅にあるベンチに目を遣ると、そこに座って本を読む綾芽の姿が視界に入った。

フレデリクは気分が良くなったので、可哀想な女の顔を拝んでやるかと庭に出た。

風が運んで来る、草木の香りはフレデリクの心を穏やかにする。

「何を読んでいるの?」

突然、声を掛けられた綾芽は、本から目を上げると、声の主に驚いた。

フレデリクが自分を良く思っていない事は、綾芽にも分かっていたからだ。

しかし、直ぐに驚きの表情を隠すと、微笑んで彼に挨拶をする。

「御機嫌よう、フレデリク。経営学の本を読んでいるんです」

綾芽は彼の質問に丁寧に答えた。

彼女の答えに、フレデリクは驚いた。

(経営学の本だって!?)



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