お嬢様♡レッスン
第87章 執事の計略Ⅲ(ヘンリー編)
「そんなつまらない物をよく読む気になるね」
フレデリクは綾芽の隣に腰を掛けて、彼女の手元を覗き込む。
彼女の言っている事は本当で、それはロートマン家の図書室に保管されている、古い経営学の本だった。
「面白いですよ。ここには古くて歴史のある蔵書の初版本が沢山あって…。楽しいです」
「ふぅん…?女性って恋愛小説やポエムなんかを好んで読むものだと思ってたけど…」
「勿論、恋愛小説も詩も読みますよ?でも、今の私には、こちらの方が面白いです」
綾芽はそう言うと、楽しそうに微笑んだ。
『兄の見た目に惹かれた馬鹿な女』
そんな風に勝手に思い込んでいたが、どうやらそれだけではないらしい。
そこで彼は、子供の頃から叩き込まれていた知識の中から、幾つか質問をしてみる。
綾芽はそれにきちんと自分の考えを交えながら答えてみせた。
(この女、やはり東乃宮コンツェルンの跡取りだけはある)
フレデリクは少し感心した。
彼女の得た知識が、ここ最近の数か月の間だと知ったら、更に驚いただろう。
話してみると、意外と面白い人物であるとフレデリクは少しだけ思った。
だが、兄を独占する事は許さない。
(兄さんは僕のものだ!)
フレデリクは綾芽の隣に腰を掛けて、彼女の手元を覗き込む。
彼女の言っている事は本当で、それはロートマン家の図書室に保管されている、古い経営学の本だった。
「面白いですよ。ここには古くて歴史のある蔵書の初版本が沢山あって…。楽しいです」
「ふぅん…?女性って恋愛小説やポエムなんかを好んで読むものだと思ってたけど…」
「勿論、恋愛小説も詩も読みますよ?でも、今の私には、こちらの方が面白いです」
綾芽はそう言うと、楽しそうに微笑んだ。
『兄の見た目に惹かれた馬鹿な女』
そんな風に勝手に思い込んでいたが、どうやらそれだけではないらしい。
そこで彼は、子供の頃から叩き込まれていた知識の中から、幾つか質問をしてみる。
綾芽はそれにきちんと自分の考えを交えながら答えてみせた。
(この女、やはり東乃宮コンツェルンの跡取りだけはある)
フレデリクは少し感心した。
彼女の得た知識が、ここ最近の数か月の間だと知ったら、更に驚いただろう。
話してみると、意外と面白い人物であるとフレデリクは少しだけ思った。
だが、兄を独占する事は許さない。
(兄さんは僕のものだ!)