
お嬢様♡レッスン
第87章 執事の計略Ⅲ(ヘンリー編)
フレデリクは勝手に綾芽をライバル視しているが、当の綾芽にはその気はない。
彼女は思い出したのだから。
自分には愛する人が居た事を。
だが、肝心な事は思い出せていない。
申し訳ないとは思うが、もう少しだけウィリアムの好意に甘えていたい。
それだけであった。
しかし、それはロートマン家を利用する狡い考えである為、フレデリクには言えない。
唯、自分はウィリアムと結婚する気はない事。
記憶のない自分を置いてくれる為の偽りの婚約者である事は告げてもいいかとも思った。
「フレデリク君、聞いてくれますか?」
「何?」
「私…、ウィルの婚約者じゃありません」
「それが何?婚約者じゃないのに、兄さんとセックスしてるわけ?」
「えっ…」
「知らないとでも思った?アンタの厭らしい声、僕の部屋まで聞こえたんだけど?」
フレデリクのそれは嘘だ。
古い邸とは言え、ある程度の遮音は施されている。
しかし、それを知らない綾芽は羞恥に頬を染めた。
「婚約者でもない男とセックスするなんて淫乱なんだね、アンタ」
「そ…れは…」
彼女は思い出したのだから。
自分には愛する人が居た事を。
だが、肝心な事は思い出せていない。
申し訳ないとは思うが、もう少しだけウィリアムの好意に甘えていたい。
それだけであった。
しかし、それはロートマン家を利用する狡い考えである為、フレデリクには言えない。
唯、自分はウィリアムと結婚する気はない事。
記憶のない自分を置いてくれる為の偽りの婚約者である事は告げてもいいかとも思った。
「フレデリク君、聞いてくれますか?」
「何?」
「私…、ウィルの婚約者じゃありません」
「それが何?婚約者じゃないのに、兄さんとセックスしてるわけ?」
「えっ…」
「知らないとでも思った?アンタの厭らしい声、僕の部屋まで聞こえたんだけど?」
フレデリクのそれは嘘だ。
古い邸とは言え、ある程度の遮音は施されている。
しかし、それを知らない綾芽は羞恥に頬を染めた。
「婚約者でもない男とセックスするなんて淫乱なんだね、アンタ」
「そ…れは…」
