お嬢様♡レッスン
第87章 執事の計略Ⅲ(ヘンリー編)
『いやっ!お願い!フレデリクっ!落ち着いて…っ!』
綾芽はそう訴えるが正気を失っているフレデリクの耳には届かない。
兄を誘惑した女が煩く喚いているだけだ。
『煩いっ!黙れ!!』
そう言うとフレデリクは綾芽の頬を平手で打った。
打たれた頬がジワリと熱くなる。
抵抗をすればするだけ、彼の感情の波を荒立てると思った綾芽は、抵抗するのを止め、彼の背中に腕を回してあやす様にポンポンと叩いた。
それは兄・ウィリアムにされるのと同じ優しさで。
フレデリクの心を落ち着かせた。
はっと吾に返るフレデリク。
『僕は…何を…?』
『落ち着いた?大丈夫?』
綾芽はそっとフレデリクの頬に手を伸ばす。
しかし彼はそれを払い除けて、顔を背けた。
『触るな!』
そう言うと彼は、綾芽の上から下り、走り去ってしまった。
その後ろ姿を悲しそうに見送る綾芽。
それを物陰で一部始終を見ていたヘンリーは舌打ちした。
(折角、面白くなりそうだったのに…)
彼は録画停止ボタンをタップすると、動画を保存しポケットにスマートフォンを仕舞った。
そして今来たばかりだと言う様に何食わぬ顔で綾芽の前へと姿を現した。
綾芽はそう訴えるが正気を失っているフレデリクの耳には届かない。
兄を誘惑した女が煩く喚いているだけだ。
『煩いっ!黙れ!!』
そう言うとフレデリクは綾芽の頬を平手で打った。
打たれた頬がジワリと熱くなる。
抵抗をすればするだけ、彼の感情の波を荒立てると思った綾芽は、抵抗するのを止め、彼の背中に腕を回してあやす様にポンポンと叩いた。
それは兄・ウィリアムにされるのと同じ優しさで。
フレデリクの心を落ち着かせた。
はっと吾に返るフレデリク。
『僕は…何を…?』
『落ち着いた?大丈夫?』
綾芽はそっとフレデリクの頬に手を伸ばす。
しかし彼はそれを払い除けて、顔を背けた。
『触るな!』
そう言うと彼は、綾芽の上から下り、走り去ってしまった。
その後ろ姿を悲しそうに見送る綾芽。
それを物陰で一部始終を見ていたヘンリーは舌打ちした。
(折角、面白くなりそうだったのに…)
彼は録画停止ボタンをタップすると、動画を保存しポケットにスマートフォンを仕舞った。
そして今来たばかりだと言う様に何食わぬ顔で綾芽の前へと姿を現した。