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お嬢様♡レッスン

第91章 お坊ちゃま、ひと夏の恋

チャールズに突っ込まれて、フレデリクは自分の失態に気付いた。

深く訊かれない内に、詮索されないように濁さなければと焦る。

「彼女はいないけど…。ひょっとしたら『好き』なのかも知れない人は居る」

(って僕は何を言っているんだ!?)

チャールズの詮索から逃れようとしていた筈なのに、自分の口からはどんどん余計な言葉が零れ落ちる。

「へぇ?どんな人?」

チャールズは案の定、好奇に目を光らせて、フレデリクの好きな女性について訊き出そうとし始めた。

「こんなところで話たくはないね」

そう言って突き放すと、チャールズは『それなら帰ろう』と言って、彼女達の所に戻ると別れを告げた。

別れ際に『これで楽しんで』と言って、数杯は飲める様にと少しばかりのお金を彼女達に渡した。

彼女達はそれを嬉しそうに受け取ると、そそくさと席を立ち、他の男を漁りに人込みの中に消えて行った。

「ビッチめ!」

フレデリクはその後ろ姿に、罵りの言葉を呟く。

恐らく、綾芽だったらあのお金は受け取らないだろうなと思いながら。

「なぁ、チャールズ?車を出して貰えるかな?」

「どうしたんだい?急に…」




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