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お嬢様♡レッスン

第91章 お坊ちゃま、ひと夏の恋

ロートマン邸に到着すると、ヘンリーが迎えに出て来た。

ロンドンを出たところで、友人を連れて戻る事を連絡しておいたのである。

チャールズの運転手にも泊まるように進めたが、彼はロンドンへと戻って行った。

「桜子は起きているのか?」

手荷物をヘンリーに預けながら、フレデリクは尋ねる。

「桜子様はもうお休みでございます」

ヘンリーは荷物を手に、玄関の扉を開けながら、そう答えた。

「そうか…」

「ねぇ、フレデリク。桜子って人がキミの…?」

声を潜めてチャールズが尋ねて来る。

彼の瞳は好奇心でキラキラと輝いていた。

フレデリクは彼の問いに短く答えると、邸の中へ入って行く。

チャールズはワクワクしながら、その後に続いた。

彼に用意された部屋へ、持参した荷物を片付けると、彼は早速、フレデリクの部屋を訪ねる。

チャールズは、部屋に通されると、矢継ぎ早に質問攻めにした。

「ねぇ、『桜子』ってどこの国の人?綺麗なの?年齢は?キミの兄さんとどうやって知り合ったの?」

「落ち着いてよ、チャールズ。さっきも言っただろ?彼女の事についてはあまり知らないし、詮索しちゃいけないって」


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