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お嬢様♡レッスン

第91章 お坊ちゃま、ひと夏の恋

チャールズが帰ると言うので、綾芽も一緒に玄関まで見送りに来る。

「桜子さん、フレデリクは素直じゃないけど、本当は優しくていい奴なんです。彼の事を宜しくお願いします」

チャールズが笑顔でそう言うと、綾芽も微笑みながら『はい』と答える。

フレデリクと綾芽は、チャールズを乗せた車が門を出て見えなくなるまでそれを見送った。

「何だか慌ただしかったですね」

綾芽がそう言ってくすくすと笑う。

そしてフレデリクはその笑顔をずっと見ていたいと思う。

そんな事を考える自分が、恥ずかしくてフレデリクは視線を泳がせる。



『取り敢えず、きちんと会話する事だね』



フレデリクの頭の中にチャールズの言葉がふと思い浮かぶ。

何を話したら良いのか分からず、吐いて出た言葉は素っ気ない感謝の事場だった。

「付き合わせて悪かったな。でも…有難う」

フレデリクのその言葉は、綾芽を驚かせるのには十分だった。

彼女は早い瞬きを繰り返しながら、フレデリクの顔を凝視する。

「な…何だよ!僕の顔に何か付いてるのか?」

「ふふっ。いいえ」




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