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お嬢様♡レッスン

第91章 お坊ちゃま、ひと夏の恋

フレデリクがチラと横に居る綾芽の顔を見ると、彼女の笑顔が自分に向けられている。

その笑顔に胸がドキドキと高鳴る。

「ねぇ、アンタいつもどうやって過ごしてんの?」

(ああ…。どうして僕はこんな言い方しか出来ないんだろう?)

「え?」

「ここら辺って何もないだろう?兄さんが居ないと暇なんじゃないかと思って…さ?」

相変わらず、綾芽に視線を合わせずに話を続けるフレデリック。

「ああ!ええと…、ヘンリーさんに色々と作法を教えて頂いたり、本を読んだりしていますけど…?」

「ふうん…?退屈じゃない?」

努めて平静を装って話しては居るが、心臓は躍っていた。

「そう…でもないですよ?本を読むのは好きですし」

「やっぱり、アンタって変わってるね」

ナンパをした時には、話題に困ったが、彼女を知りたいと思う気持ちが質問という形となって、会話を成り立たせている。

「そうでしょうか?普通だと思いますけど…」

そこで彼は思い切って誘ってみる事にした。

「アンタ、馬に乗れる?」



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