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お嬢様♡レッスン

第91章 お坊ちゃま、ひと夏の恋

「え?ええ、一応…」

突然、乗馬の話を振られて戸惑いながらも答える綾芽。

「じゃあ、遠乗りしない?」

自分から女性を誘うのは、これが初めてなフレデリクは内心、不安でいっぱいだった。

「へ?私…お誘いされてます?」

「嫌なの?じゃあ、いいや」

「いえっ!そんな事ないです!行きたいです!!」

「そ?じゃあ、支度して来てよ」

そっけなくフレデリクは言ってみるが、心の中には喜びが拡がっていた。

先ず、第一段階はこれでクリアだろうか。

後は、彼女を退屈させないように。

彼女を知り、自分を知って貰う事。

先ずはそこから始めようとフレデリクは思う。

「それでは着替えてきますね!」

綾芽が満面の笑みを浮かべてそう言うと、フレデリクは『分かったから、早くして』とまたもや素っ気ない言い方をしてしまう。

そんな自分の態度に腹が立つ。

こんな事では、彼女を笑顔になんて出来る訳がない。

しかし、綾芽は理解していた。

彼の素っ気ない態度は、照れ隠しなのだと。

若い男子特有の。

綾芽は自分に近しい人でそんな人が居たような記憶があった。


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