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お嬢様♡レッスン

第91章 お坊ちゃま、ひと夏の恋

綾芽が支度を整えに行っている間に、フレデリクは厩舎に出向く。

英国の貴族は、自分達の所有する邸宅や城を観光客向けに開放し、収入を得ている事も多い。

ロートマン邸も例に洩れず、旅行会社と契約し、ウィリアムとフレデリクの居ない期間は観光客向けに開放している。

邸での宿泊や乗馬体験。

広い馬場を所有しているので、乗馬クラブの合宿等にも利用されている。

その為、乗馬用の馬を数頭、ウィリアムは所有していた。

厩務員のデイビッドに命じ、所有場の中から一番クセのない馬に鞍を付けさせ、自分も愛馬の背に鞍を装着した。

両親が健在の頃は、家族で乗に乗りピクニックを楽しんだものである。

「ピクニックか…」

フレデリクはメイドに電話をし、簡単な食事をバスケットに準備する様に伝える。

彼女は喜んでくれるだろうか。

フレデリクが2頭の馬を引き連れて、玄関まで戻るとざっくりとしたサマーセーターとスキニージーンズにジョッキーブーツと言う出で立ちの綾芽がバスケットを抱えて待っていた。

フレデリクは綾芽からバスケットを受け取ると、自分の馬の鞍に取り付ける。



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