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お嬢様♡レッスン

第91章 お坊ちゃま、ひと夏の恋

心地よい風とゆったりした時間が、二人の間に流れる。

こんな風に時間を過ごすのは、久し振りなような気がした。

「フレデリク、誘ってくれて有難う!」

綾芽はニッコリ笑うとフレデリクに礼を言う。

彼女の笑顔にフレデリクの心臓はドクンと大きな音を立てる。

しかし、彼はそれを悟られない様にとツンツンした態度で接してしまう。

「別に…?兄さんに頼まれただけだから…」

「それでも、嬉しい。本当に有難う」

そう言ってニコニコ笑う綾芽。

今日、彼に向けられた笑顔の中でも
とびきりの笑顔だった。

(ああ…。そんな顔をして笑わないでよ…!僕の心臓が保たない…)

フレデリクが心の中でそんな事を思っている事を知らない綾芽は、無防備にシートの上に寝転がって空を見上げる。

頬を撫でる風を感じる様に、彼女は目を瞑る。

それがフレデリクには口付けを誘われている様で。

吸い寄せられる様に彼女に覆い被さり、そして唇を合わせた。

ビクンと綾芽の身体が跳ね、目を見開く。

その反応にフレデリクはハッとし、慌てて彼女から離れた。

「ご…ごめん…」



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