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「キミの身体の事」

「え？私の？」

「そう、キミの」

「私の事だけ知っても、仕方がないんじゃない？」

「でも、一番身近にいる女性はキミだけだからね」

「それはそうだけど…」

「ねぇ…？キミは何処が感じるの？女の子ってどんな風に抱かれたいの？教えてよ…」

フレデリクは甘い息を吐きながら、綾芽の耳元でそう囁く。

綾芽が教えなくても、十分、女性を翻弄する術を知っている様に思える。

彼の様な美少年であれば、こんな風に甘く囁くだけで、大抵の女性は彼に堕ちてしまうだろう。

唯、彼の場合、興味のない人間に対しては極端に冷たい。

綾芽は、それが彼を少し残念な男にしている様にも思うが、裏を返せばそれが彼の魅力の一部なのかも知れないとも思う。

何故なら、彼の態度で自分は彼にとって特別な人間だと自惚れる事が出来るから。