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「相手によって、心を掴む術は違うと思うわ。例えば、年下の女の子であれば、包んであげる優しさが必要だと思うし、年上の女性であれば、甘える可愛らしさが必要だと思う。だけど生意気な男の子を可愛いと思う年上の女性もいるわ」

「ふぅん？で、桜子はどのタイプなの？」

「え？」

「キミは僕の講師でしょう？ちゃんと教えてよ」

そう言いながらフレデリクは、弄んでいた綾芽の髪の先に口付ける。

これは計算なのだろうか。

それとも天性のものなのか。

ツンと尖った彼しか見ていなかった綾芽は、フレデリクの甘さを含む仕草にいちいちドキドキしてしまう。

「今のもドキッとしたわ」

「本当？」

「ええ…。ほら…」

綾芽はフレデリクの手を取ると、それを自分の両手で包み、自分の左胸へと導く。

「ね？ドキドキしているでしょう？」

そう言って、少し頬を染めながら彼の手が置かれている左胸を見る様に睫毛を伏せる。