無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

では、何と誤魔化せばいいのだろうか。

このままでは彼女に嫌われてしまう。

自分が好意を持っているのは、間違いなく目の前に居る彼女であるのに。

隠し通せるのだろうか。

彼女は誤魔化しが効く程、愚かではない。

いっその事、真実を話した方が良いのではないだろうか。

しかし、そうなれば彼女は日本に帰ってしまうかも知れない。

「ねぇ、どう言う事なの？怒らないから、ちゃんと話してくれない？」

「………ごめん。今は…話せないんだ。でも、信じて！僕が好きなのはキミだけだから!!」

真剣な、そして必死なフレデリクの目を見れば、彼が自分に好意を持って居る事は疑い様はないのだが、何かが心に引っかかる。

『あやめ』というキーワード。

恐らくは日本語の響き。

先程、その言葉を耳にした時。

咄嗟に女性の名前だと思った。

フレデリクの言い方でもそれは分かる。