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お嬢様♡レッスン

第93章 真実の行方

『今は話せない』

フレデリクはそう言ったのだから、きっと話すつもりはあるのだろう。

もう少し突いてみれば話をしてくれるかも知れない。

そこで綾芽はフレデリクと取引しようと思い付く。

「そろそろ、戻りましょうか?」

綾芽はフレデリクから身体を引くと、立ち上がってそう言った。

「え?」

「私は一応は貴方のお兄様の婚約者だもの…。余り長い間、二人きりで居るのは不味いでしょう?」

例え偽りの婚約者であっても、ウィリアムの顔に泥を塗る様な事は出来ない。

使用人達の前では、ウィリアムの婚約者なのだから。

「それもそうだね」

我侭を言うかと思われたフレデリクも察したのか、彼女に同意し立ち上がった。

シートをバスケットに入れ、馬の鞍に付ける。


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