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お嬢様♡レッスン

第93章 真実の行方

兄は彼女を愛してはいないが、気に入っているのは確かだ。

ひょっとしたら、ロンドンに連れて行ってしまうかもしれない。

自分が彼女と自由に逢瀬を重ねられるのは今だけなのだ。

「ねぇ?その前に確認していい?」

「何を?」

「兄さんが帰国して、ロンドンに来るようにって言ったら、キミは行く?」

「私は彼の婚約者だもの、断る理由はないわ」

「そうだよね…」

「でも、貴方と約束したわ。貴方に女性の事を教えるって」

「え…?」

「ここに居るわよ?」

そう言って綾芽はフレデリクに笑い掛けた。

綾芽には、フレデリクは放って置けなかった。

幾ら背が高く、大人びては居ても、彼はまだ子供なのだ。

自分とて未だ未熟者ではあるが、年長の者としては、彼に寂しい思いをさせたくない。

そう思った。

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