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お嬢様♡レッスン

第95章 異国の訪問者

葛城は苦痛に顔を歪ませ、頭を抱えた。

ほんの数時間前まで、幸せな時を過ごしていたのに。

浮かれていた自分に神が罰を与えたのだろうか。

何故、波は自分ではなく綾芽を攫ったのか。

ポセイドンが彼女に一目惚れをし、攫ってしまったとしか思えない。

「失礼します。お通ししておきました」

黒崎がロートマン氏を案内し終え、報告にやって来る。

宗佑は『分かった』と答えると葛城に一緒に来る様に促した。

葛城は立ち上がると気を引き締め、宗佑の後ろに続く。

S会議室は、重役専用の会議室で、会長室と同じ最上階に位置している。

重役専用とだけあって、内装は落ち着いた雰囲気で、天気の良い日は窓から富士山が見えた。

「お待たせして申し訳ない」

宗佑は会議室の扉が開かれると、そう言いながら、ロートマン商会のCEOに近付いた。

ロートマン商会のCEO───ウィリアムは微笑みながら立ち上がり、宗佑と握手を交わす。

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