無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

影ながら努力をしているアイツを見て、俺ももっと頑張ろうって思った。

いつも前向きで好奇心旺盛なアイツにどんどん惹かれていった。


アイツを守れるように。

アイツが幸せになれるように。


俺はそれだけを願う事にした。

アイツの幸せはあの人と共にある。

だから俺はそれを取り戻してやらなきゃ。

アイツの為に。

伯父さんや伯母さんの分まで、俺がアイツを守らなきゃ。

血の繋がった家族として。

アイツを愛する男として。

だから、綾芽。

帰ろう。

日本に。

お前の居るべきところはこの国じゃない。

婆ちゃん達も待ってる。

お前の無事を信じて。

だから、帰ろう。

あの人の所へ。

俺はお前の笑顔を見る事が出来れば、それでいいから───。







ガタンと揺れた衝撃で、莉玖は目を覚ます。

時計を確認すると出発してから２時間程経っていた。

あと、４時間は列車の旅が続くらしい。

焦っても仕方が無いとは思いつつも、心は逸る。

スマートフォンを確認すると、葛城からメールが入っていた。

タップしてメールを開くと、到着は二日後になると言う事だった。