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ペンザンスの駅に着くと、莉玖は街の人に尋ねながらロートマン邸の場所を特定する。

ホテルとしても利用されている為か、有名な様で大抵の人は知っている様だった。

それならばとタクシーを拾い、ロートマン邸を目指す。

街を離れ暫く走ると平原の中に石のブロックと木々の奥に、ヴィクトリア調の建物が見え隠れし始めた。

莉玖は、運転手にチップを払うと２時間後に迎えに来る様に伝える。

運転手はそれに承諾し、街へと戻って行った。

さて、ここからどうするか。

特にセキュリティ等は厳しくなさそうだ。

ゲート付近に守衛小屋等は見当たらないし、門番の様な者もいなかった。

入っても大丈夫なのだろうか。

いきなり猟銃で撃たれる事はないだろうかと、不安になりながらも莉玖は門を潜り、邸へと向かってみる。

結構な距離はあるが、よく手入れをされたイングリッシュ・ガーデンが目を楽しませてくれる為か、然程気にはならなかった。

５分程歩き、やっと正面玄関へと到達する。

東乃宮の邸に比べたら、楽に到達できた方だと思う。

莉玖は呼び鈴を鳴らし、誰かが対応に出てくれるのを待った。

しかし、誰も出て来ない。