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お嬢様♡レッスン

第96章 緊急Mission1♠お嬢様を同定せよ

「あの、客室とか馬房とか実際に見せて頂く事は出来ますか?」

お茶をご馳走になった後、莉玖は執事にそれとなく尋ねてみる。

「邸の中はご案内出来ませんが、馬房の方でしたら構いませんよ?パンフレットの中に邸内の地図がございます。そちらをご覧になってご自由にどうぞ」

「そうですか。有難うございます」

「厩舎の方には担当者がいるかと思います。連絡しておきますね」

そう言って執事は微笑んだ。

莉玖は執事に礼を言うと、邸の外へと出る。

中の散策は叶わなかった。

仕方が無い。

連絡をしてくれているのだし、馬房を見て帰ろう。

そう思い、莉玖は厩舎の方へと歩き出した。

此処まで、足を運んだにも関わらず、何も収穫がないとは。

葛城に申し訳ない。

そして、自分に期待をしてくれたコーチにも申し訳ないと思う。

天は自分を見放したのかと思った矢先の事だった。

厩舎の方から、仲の良さそうな男女が歩いて来る。

一人は長身で細身の男性。

もう一人は小柄な細身の女性。

彼等が近付いてくるにつれ、莉玖の心臓はドキドキと早鐘を打つように鳴り響いた。


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