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お嬢様♡レッスン

第96章 緊急Mission1♠お嬢様を同定せよ

(桜子…?)

「フレデリク、お願い。私も久し振りに日本語が話したいの…」

「英語で話すのが嫌なわけ?」

明らかに不機嫌な様子のフレデリクと呼ばれた男。

背は高いものの、少し幼さを感じる。

「そう言う訳じゃないけど…」

「大丈夫!ちょっと案内するだけだもの。貴方だって日本に居て、同郷の人にあったら、同じ様にすると思うけど?」

「僕はしないね。他人の事なって知った事じゃない」

「冷たいのね。でも、日本人は違うわ。”お・も・て・な・し”教えたでしょう?」

「………分かったよ」

フレデリクと呼ばれた青年は、ふて腐れた顔で渋々了承する。

「有難う、フレデリク!」

そう言うと綾芽は彼の頬に口付けた。

「なっ!?」

「なるべく早く戻るから、先に邸に戻ってて?」

そう言うと綾芽は莉玖に向かって『行きましょう』と言って歩き出した。

莉玖は綾芽がフレデリクの頬に口付けた事に胸がざわつく。

二人は特別な関係なのだろうか。

CEOと婚約していると聞いている。

しかもそのCEOは今、日本に居る筈だ。

綾芽はどうしてしまったのだろうか。

「どうかしましたか?」

押し黙っている莉玖の顔を心配そうに覗き込む綾芽。

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