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お嬢様♡レッスン

第96章 緊急Mission1♠お嬢様を同定せよ

「綾芽………」

莉玖は苦しそうにそう呟いた。

「え?今…何て?」

「綾芽!どうしてだよ?何で忘れちゃったんだよ!」

そう言って莉玖は綾芽に掴みかかる。

「ちょっ!どうしたんですか?貴方…私の事…知ってる…の?」

綾芽の瞳が揺らぐ。

つい最近、思い出した自分の名前。

それを知っている日本人が目の前に居る。

「知ってるも何も…。俺達、従姉弟じゃないか…」

「え?ちょっ…ちょっと待って?従姉弟…?」

「そうだよ!お前の親父さんと、俺の父さんは兄弟だった。お前は東乃宮のお嬢様で…」

「おい!そこまでにしてもらおうか!!」

莉玖の肩が掴まれ、物凄い力で綾芽から引き剥がされる。

振り返ると、額に青筋を立てたフレデリクが立っていた。

「胸騒ぎがして戻って来てみれば…。貴様、何者なんだ!?」

「自分は綾芽の従弟だ!」

「何だと?」

「頼む!綾芽を返してくれ!待っている人が居るんだ!!」

莉玖はフレデリクに縋りながらそう言った。

「彼女は”桜子”だ。彼女は僕の家庭教師であり、恋人だ。帰ってくれ!!」

そう言うとフレデリクは莉玖を突き放した。


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