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お嬢様♡レッスン

第97章 合流

『そうだな。別に莉玖は知らなくていい事だ』

「ん…」

『お前、今何処に居るんだ?』

「ロートマンの邸の近く」

『そうか。何か進展は?』

「今のところない。綾芽にずっと男がひっついてて、近付けない…」

莉玖は、現在の状況を黒崎に簡単に説明した。

『取り敢えず、葛城さんと合流するまで、観光でもしてろよ』

黒崎は呑気にそんな提案をする。

「そんな気にはならない…」

『そりゃあ、そうか…』

「ああ…。それじゃあ、何か動きがあったら連絡して?」

『ああ、分かった。………莉玖?』

「ん?」

『無茶はするなよ?』

黒崎は兄の様な気持ちで、莉玖にそう言った。

綾芽と一緒に居る男は、結構、激昂高型の性格の様だ。

無理矢理、彼から綾芽を奪おうとすれば、猟銃等で撃たれそうである。

貴族の邸に無断で入ったとなれば、こちらの方が分が悪いので、文句も言えない。

心配そうな真琴の声音に、莉玖はふっと笑みを零した。

真琴はいつも自分達を気遣って、要らぬ心配ばかりをしている。

自分だって子供ではない。

何が危険かは、心得ているつもりだ。

「ダイジョーブ。無茶はしない。葛城さんを待つ」


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