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お嬢様♡レッスン

第97章 合流

「ごめんなさい…。まだ、信じられなくて…」

そう言って綾芽は睫毛を伏せる。

莉玖は、伸ばした掌をギュッと握り締め、そして引っ込めた。

「綾芽、今日、葛城さんがこっちに到着する」

「葛城さん?」

綾芽がその名を口にした瞬間。

綾芽の胸がキュッと締め付けられた。

(何だろう…?この感じ…。胸が…痛い…)

莉玖は綾芽の反応を見て、彼女が葛城の事すらも忘れているのを知った。

「綾芽、一緒に居た男は?」

「フレデリクの事?彼は今、眠ってるわ。それで暇だから散歩に出て来たの」

「アイツとはどんな関係?」

「それは、貴方に言わなければならない事なの?」

「俺は従弟だぞ?」

「そうかも知れないけど、いきなり”従弟”と言われても、実感が涌かないわ」

「そうか…」

切なそうに眉を歪める莉玖の顔を見て、綾芽も切ない気持ちになる。

目の前に居る彼は決して悪い人ではない。

それは分かる。

自分の事を心配して来てくれた事も。

「明日、葛城さんとここにまた来る。アイツが居ない時に出て来れないか?」

「どうかしら…。彼は殆ど出掛けないわ」

「ずっと一緒なのか?」

「ずっとではないけど…」

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