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お嬢様♡レッスン

第100章 再会

綾芽は庭を歩きながら、『葛城』宛てに返信のメールを送る。

足早に庭を歩き、門へと急ぎながら、自分の胸を切なくさせる『葛城』と言う人物について考える。

どんな人なのだろうか。

メールの言葉は短かったが、とても丁寧な言葉を用いていた事から、彼が紳士的な人物である事が伺える。

自分とはどんな関係だったのだろうか。

大切な人であるのか。

それとも、莉玖と同じ様に親戚か何かだろうか。

彼に逢って、何か思い出せると良いのだが。

逸る気持ちが、彼女の歩みを早くする。

綾芽はいつの間にか走り出していた。

息を弾ませながら門まで辿り付くと、一台の車が停まっているのに気づいた。

ドキドキと高鳴る胸。

それは走ったからなのか、それとも何かを期待しての事なのか。

綾芽は、何度か深呼吸をして息を整えてから、意を決して車に近付いた。

彼女が近付くと、車から男性が二人、姿を現す。

一人は、莉玖だ。

もう一人は───。



ああ…。

何で忘れていたのだろうか。

彼を。



綾芽の中で、夢で愛し合った男性と車から現れた男性との像が結び付く。

優しく細められた目。

綾芽は、彼の姿を捉えた瞬間、一目散に走り寄り、彼の胸へと飛び込んだ。

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