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お嬢様♡レッスン

第100章 再会

一方、莉玖は歩き回るのに飽き、車に戻ろうと歩いていた。

車の姿が見えて来たが、二人の姿はそこにはなかった。

二人も歩きながら話をしているのだろうと思い、先に車の中で待っていようかと車へ近付く。

そして彼は足を止めた。

車が激しく揺れていたからだ。

(嘘だろ?車の中で何やってんだ…)

二人のあらぬ姿を想像してしまい、莉玖は顔を赤く染める。

それは想像には終わらず、激しく揺れる車から、くぐもった綾芽の嬌声が漏れ、聞こえて来た。

どうしたらいいのだろうかと、戸惑う莉玖。

間の悪い時に戻ってしまった自分を恨みながら、彼は踵を返し再び車とは逆の方向に歩き出す。

心の中では綾芽の幸せを願えど、他の男に抱かれているのを目の当たりにするのはやはり辛い。

そこから早く離れたくて、莉玖の足運びは次第に早くなって行く。

そしてそこから逃れる様に、彼は走り出した。

何処でもいいから、二人が愛し合っている場所から離れたい。

苦しい。

切ない。

一生打ち明ける事の出来ない、自分の恋心。

どこをどう走って辿り付いたのかは分からないが、気が付くと目の前に湖が広がっていた。

木に背中を預け、崩れ落ちる様に座り込む莉玖。

彼は膝を抱え、頭を預けると声を殺して泣いたのだった。

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