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お嬢様♡レッスン

第101章 話合

綾芽が邸へ戻ると、フレデリクが玄関で待っていた。

「何処に行っていたの?」

いつもの、少しきつめの口調で彼が尋ねてくる。

「あとで話すわ。それより朝食の時間でしょう?行きましょう」

そう言ってフレデリクの背を押しダイニングへと促した。

ダイニングのテーブルには、既に家長である、ウィリアムが座って彼等を待っている。

「おはよう」

そう言うとウィリアムは微笑んで、二人に座る様、促す。

昨夜の非情な彼の表情とは打って変わって、穏やかな笑顔である。

これなら、話を聞いて貰えるだろうと綾芽は安堵した。

「桜子…。いや、綾芽。キミの事をきちんと話そうと思う」

食事をしながら、ウィリアムがそう切り出した。

「私の事…ですか?」

「ああ。キミは東乃宮コンツェルンの跡取りで…」

「それでしたら、今朝、全て思い出しました」

「何だって!?」

「私が外出していたのは…。私の本来の婚約者である方とお逢いする為でした」

「そう…。それで…帰るの?」

東乃宮との話は、ほぼ付いている様なものだ。

日本に残して来た、部下達から良い報告を受けたばかりである。

彼女を引き留める理由は、ない。

しかし、フレデリクは違う。

昨夜は彼女を帰す事を決心はしたが、まだ心の準備が出来ていなかった。

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