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お嬢様♡レッスン

第13章 お嬢様の休日

彼等は午後もアトラクションを楽しんだ。

綾芽は久しぶりに沢山笑った気がした。

しかし、履き慣れない高めのヒールが綾芽の足に確実にダメージを与えていて、彼女の足も限界に近付いていた。

「疲れたね、少し休もうか?」

高月は近くのベンチに座る様に綾芽を促す。

「俺、喉が乾いたから何か買ってくるけど、綾芽ちゃんは何がいい?」

「アイスティーで…」

「了解!」

高月がドリンクを買いに去ると、綾芽はホッと息を吐いた。

ヒールを脱ぎ、踵の状態を見る。

皮が捲れて赤く血が滲んでいた。

(絆創膏持ってくれば良かったな…)

綾芽は我慢をしてヒールを履こうとすると、いつの間にか戻って来ていた高月に止められた。

高月は綾芽の足元に跪くと、彼女の足を自分の折り曲げた膝の上に起き、絆創膏を貼る。

「気付いてたんですね…」

「当たり前でしょう?俺は綾芽ちゃんの執事だよ?お願いだから、俺に隠して無理はしないで…」

そう言って高月は綾芽の膝頭に口付けた。

高月を見ていた女性達の口から『いや~ん!あの人格好いい!』『王子様みたい!』『彼女さん羨ましい』等の声が上がる。

綾芽は注目を浴びていた事に恥ずかしくて俯いてしまった。

高月は別に気にしている様子はない。

「そろそろ出ようか?」

「でも、パレードが…」

「また、いつか見よう」

そう言うと高月は綾芽を立ち上がらせた。

「歩けそう?」

本当なら、綾芽をお姫様だっこしたいのだが、こんな所でそれをやれば、綾芽は嫌がるだろう。

そう思うと高月は綾芽を抱き上げたいのを我慢した。

そうして二人は夢と魔法の国を後にする。

いつの間に手配したのか、高月は綾芽をレンタカーに乗せハンドルを握った。

そのまま帰路に着くのかと綾芽は思っていたのだが、そうではなかった。

「まだ、帰しませんよ?」

運転席から綾芽の手を握り、そう言って高月は微笑む。

綾芽は黙って小さく頷いた。

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