お嬢様♡レッスン
第13章 お嬢様の休日
東乃宮グループが経営するホテルに着くと、高月はドアマンの1人に車のキーを預け、何かを耳打ちした。
ドアマンは頷き立ち去ると、別のドアマンが扉を開け中へと二人を誘導する。
高月はロビーのソファに綾芽を座らせると、自分はフロントに行きキーを受け取った。
今度こそ高月は綾芽を抱き上げるとエレベーターに乗り、ロイヤルスイートがあるフロアのボタンを押す。
高月も綾芽も無言だった。
緊張しているのだろうか。
綾芽は高月のジャケットの襟元をギュッと握り締めている。
しかし、嫌がって暴れたりする様子はない。
高月は自分を受け入れて貰えるかも知れないと期待に胸が弾んだ。
目的のフロアに到着した事を知らせるチャイムの音が鳴り、扉が開く。
高月はその一室の鍵を開けると、リビングのソファに綾芽を座らせた。
「お嬢様、御足は大丈夫で御座いますか?」
「………」
綾芽は黙って頷いた。
「お茶をお煎れしますね?」
そう言って立ち上がると、バーカウンターに行きお茶を煎れる準備をし始める。
綾芽は後ろから高月に近付くと、その背にそっと抱き着いた。
「お茶はもう結構です。ここ迄付いて来て嫌だなんて言いません。覚悟は出来てます」
「でも、葛城さんの事がお好きなのでしょう?」
綾芽の口から葛城の事を想っている事等、聞きたくはないが、尋ねずには居られない。
「多分、好きなんだと思います」
(ああ、やっぱり…)
「でも、貴方の事も気になります…。欲張りですよね?」
「欲張りですね。狡いです。貴女と言う方は」
「私もそう思います。こんな自分が嫌です。高月さんも、こんな私は嫌いですよね…」
高月は自分の腰に回された綾芽の腕を掴んで外すと、身体を反転させ綾芽と向かい合う。
その瞳には困惑の色が見え隠れしていた。
このまま抱いて仕舞えば葛城から綾芽を奪う事が出来るのであろうか。
「本当に狡い人だ…」
「ごめんなさい。……今日は帰ります…」
そう言って綾芽が踵を返すと、高月に後ろから抱き締められた。
「まだ、帰さないと言った筈です」
高月は綾芽の頤を捉えると、自分に向けさせ彼女の唇を貪るように口付けた。
やはり抑える事は出来ない。
他の男を想っていたとしても。
少しでも望みがあるなら、それに縋りたい。
「ん……」
ドアマンは頷き立ち去ると、別のドアマンが扉を開け中へと二人を誘導する。
高月はロビーのソファに綾芽を座らせると、自分はフロントに行きキーを受け取った。
今度こそ高月は綾芽を抱き上げるとエレベーターに乗り、ロイヤルスイートがあるフロアのボタンを押す。
高月も綾芽も無言だった。
緊張しているのだろうか。
綾芽は高月のジャケットの襟元をギュッと握り締めている。
しかし、嫌がって暴れたりする様子はない。
高月は自分を受け入れて貰えるかも知れないと期待に胸が弾んだ。
目的のフロアに到着した事を知らせるチャイムの音が鳴り、扉が開く。
高月はその一室の鍵を開けると、リビングのソファに綾芽を座らせた。
「お嬢様、御足は大丈夫で御座いますか?」
「………」
綾芽は黙って頷いた。
「お茶をお煎れしますね?」
そう言って立ち上がると、バーカウンターに行きお茶を煎れる準備をし始める。
綾芽は後ろから高月に近付くと、その背にそっと抱き着いた。
「お茶はもう結構です。ここ迄付いて来て嫌だなんて言いません。覚悟は出来てます」
「でも、葛城さんの事がお好きなのでしょう?」
綾芽の口から葛城の事を想っている事等、聞きたくはないが、尋ねずには居られない。
「多分、好きなんだと思います」
(ああ、やっぱり…)
「でも、貴方の事も気になります…。欲張りですよね?」
「欲張りですね。狡いです。貴女と言う方は」
「私もそう思います。こんな自分が嫌です。高月さんも、こんな私は嫌いですよね…」
高月は自分の腰に回された綾芽の腕を掴んで外すと、身体を反転させ綾芽と向かい合う。
その瞳には困惑の色が見え隠れしていた。
このまま抱いて仕舞えば葛城から綾芽を奪う事が出来るのであろうか。
「本当に狡い人だ…」
「ごめんなさい。……今日は帰ります…」
そう言って綾芽が踵を返すと、高月に後ろから抱き締められた。
「まだ、帰さないと言った筈です」
高月は綾芽の頤を捉えると、自分に向けさせ彼女の唇を貪るように口付けた。
やはり抑える事は出来ない。
他の男を想っていたとしても。
少しでも望みがあるなら、それに縋りたい。
「ん……」