
お嬢様♡レッスン
第101章 話合
不安が全くないかと問われれば、そうは言い切れない。
しかし、綾芽は約束を守る女性だ。
約束を守る人間だからこそ、約束の期間はここに残ると言ったのだ。
自分との約束はもっと大きなもの。
それを彼女が破る訳がない。
葛城はそう信じて彼女を送り出したのだ。
莉玖は葛城の落ち着いた様子に、『これが大人の男なのか』と思った。
自分であれば、約束をしていたとしても、不安で仕方が無いだろう。
相手の気持ちを考えずに、自分の気持ちを優先させてしまうかも知れないと。
「しかし、このまま帰る訳にもいきませんので、綾芽様にロートマン氏と話をする機会を設けて頂く事に致しました。きちんと綾芽様を帰して頂くように、釘を挿して参ります」
葛城が前を見つめながら、莉玖にそう告げる。
それは宣誓の様なものだった。
皆が愛する『お嬢様』を返して貰う事。
自分の為だけではなく、彼女を愛し日本で待つ皆の為に。
それが葛城のミッションなのだ。
「恐らく、数日中にはお話が出来るでしょう。杜若はどうしますか?先に帰国をしますか?」
「そうですね…。そうします」
「分かりました。それでは、宿に戻ったら黒崎に貴方の帰りのチケットを手配するように伝えましょう」
「それなら、自分が…」
そう言ってポケットを探って気付いた。
まだ、綾芽にスマートフォンを返して貰っていなかった事に。
しかし、綾芽は約束を守る女性だ。
約束を守る人間だからこそ、約束の期間はここに残ると言ったのだ。
自分との約束はもっと大きなもの。
それを彼女が破る訳がない。
葛城はそう信じて彼女を送り出したのだ。
莉玖は葛城の落ち着いた様子に、『これが大人の男なのか』と思った。
自分であれば、約束をしていたとしても、不安で仕方が無いだろう。
相手の気持ちを考えずに、自分の気持ちを優先させてしまうかも知れないと。
「しかし、このまま帰る訳にもいきませんので、綾芽様にロートマン氏と話をする機会を設けて頂く事に致しました。きちんと綾芽様を帰して頂くように、釘を挿して参ります」
葛城が前を見つめながら、莉玖にそう告げる。
それは宣誓の様なものだった。
皆が愛する『お嬢様』を返して貰う事。
自分の為だけではなく、彼女を愛し日本で待つ皆の為に。
それが葛城のミッションなのだ。
「恐らく、数日中にはお話が出来るでしょう。杜若はどうしますか?先に帰国をしますか?」
「そうですね…。そうします」
「分かりました。それでは、宿に戻ったら黒崎に貴方の帰りのチケットを手配するように伝えましょう」
「それなら、自分が…」
そう言ってポケットを探って気付いた。
まだ、綾芽にスマートフォンを返して貰っていなかった事に。
