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翌日、二人は観光スポットである、セント・マイケルズ・マウントを訪れていた。

ここは、イギリスのモン・サン・ミッシェルと言われている場所で、どちらも教会が開かれる前はケルトの民の聖地だったと言われているところだ。

セント・マイルズ・マウントは『城』とも言われているが、それは外観がそう思わせるからなのだろう。

モン・サン・ミッシェルの様な尖塔がなく、砦として使用されていた事もある為か、城の風貌をしているからである。

青い空の下、山の頂に聳える教会は荘厳で美しかった。

莉玖は観光の機会を与えて貰った事に感謝しながら、それを眺めた。

午後になり、遅めの昼食を摂ると二人はロートマン家に向かう支度を整えて邸に向かった。

邸の敷地内に車を停めると綾芽が出迎えてくれる。

彼等の手前、ハグしても良いのだろうかと戸惑ったが、婚約者なのだから、気を遣う必要はないだろうと、葛城は綾芽を抱き締め、その蟀谷に口付けを落とした。

葛城と莉玖は綾芽の案内で、邸内に通されると、サロンで待つように伝えられた。

程なくして、ロートマン氏とその弟が顔を出す。

執事がお茶を運んで来ると、アフタヌーン・ティの始まりだ。

彼等はお茶と軽食をつまみながら、暫くは世間話を楽しむ。