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お嬢様♡レッスン

第106章 ロンドンでの日々

綾芽は彼女から、社交界でのマナーやイギリスの政財界の事についてを色々と学んだ。

彼女はよく『社会見学』と言っては綾芽をロンドンの街へと連れ出してくれる。

綾芽は彼女のお陰で、演劇を楽しんだり、買い物を楽しんだりと有意義な時間を過ごす事が出来た。

余りにも度々綾芽を連れ出すものだから、フレデリクが嫉妬で拗ねたくらい、彼女とエミリアは親しくなっていった。

勿論、エミリアは観劇をする時にはフレデリクも誘ってはいたのだが。

エミリアの生活は、未来のフレデリクの生活にもなるかも知れないのだ。

そんなある日の事、エミリアは招待状を持って訪ねて来た。

彼女の実家である、伯爵家でパーティが開かれると言うのだ。

「ウィルとフレッドと三人でいらっしゃいよ。ああ、フレッド?ダンスの相手が必要だったら、姪を紹介するわよ?」

リビングでヘンリーが淹れてくれたお茶を三人で飲みながら、エミリアがそう言うと、フレデリクはそれを跳ね退ける。

「要らないよ。僕、綾芽以外と踊る気なんてないもん」

「フレッドは綾芽に懐いてるのねぇ…。でも、綾芽ってウィルの恋人なんじゃないの?」

「違うよ。僕の恋人!…でもないけどね。綾芽は日本にフィアンセが居るから」

少し寂しそうにフレデリクはそう零した。

「あら、そうなの?仲が良いから、年齢的にウィルの恋人かと思ってたんだけど…」

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