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お嬢様♡レッスン

第108章 Lesson19♥観劇してみましょう

「そんな物はないけど…。どうせならドレスアップして行く?」

「そうね!そうしたいわ!」

「じゃあ、そうしよう」

フレデリクはバレエを見るのも、オペラ・ハウスに行くのも勿論初めてではないが、楽しそうにワクワクしている綾芽の顔を見るだけで、自分もワクワクして来るのを感じる。

夏休みもあと僅か。

そして、それが終われば彼女は日本へと帰って行く。

今の内に沢山の思い出を綾芽と作っておきたい。

フレデリクはそう思う。

「ねぇ、綾芽。久し振りにピクニックに行かない?」

「ピクニック?」

「うん。ロンドンにはピクニックに最適な公園がたくさんあるんだ。どう?」

「そうね!それなら、ヘンリーもどう?」

そう言うと綾芽は、食器の片付けをしていたヘンリーに視線を移す。

「私もですか?」

ヘンリーはふと手を止め、二人を見る。

綾芽とフレデリクは頷き、彼の返答をじっと彼を見つめながら待った。

(そうか。もうじきこの生活も終わりを迎えるんでしたね…。少し寂しくなります)

主人達と共に食事をし、彼等の面倒を見る生活にすっかり慣れたヘンリーはその事に気付いて、寂しいと感じる。

少し前の彼だったら、厄介事が減って『清々する』と思ったに違いない。

しかし、ヘンリーは今の自分の方が、前よりも仕事を楽しむ事が出来、気に入っている。


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