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確かに言われてみれば、執事服を着ている人間を伴って公園を歩いていれば目立ってしまう。

これから行く場所は、自分達のような身分ばかりの者が居る訳ではない。

金持ちだと思われて、誘拐される危険がないとも限らない。

「分かった。ヘンリー、そんな恰好でウロウロしていたら、執事を雇える裕福な家庭である事がバレて僕達が誘拐されるかも知れない。これは僕達を守る為に必要な事だ。だから着替えて来てくれない？」

フレデリクがそう言うと、ヘンリーはそれもそうかと思い、抵抗はあったが着替える事にした。

ジーンズに薄手のシャツとジャケットを羽織ったカジュアルな服装に着替えると、年相応の若者に見える。

「うん。これなら友人同士のピクニックに見えるね！」

ヘンリーの姿に満足気な笑みを浮かべてフレデリクと綾芽が頷くと、少し気恥ずかしかったヘンリーは、照れた様に頭を掻いた。

「それじゃあ、行きましょう？」

三人は車に乗り込むと、ヘンリーの運転でセント・ジェームズ・パークを目指す。

ここはバッキンガム宮殿と目と鼻の先の公園で、湖があり白鳥や鴨、野生のペリカン等が見られる。

宮殿の北側にはグリーン・パークがあり、こちらはピカデリーストリートに面している公園だ。