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お嬢様♡レッスン

第108章 Lesson19♥観劇してみましょう

綾芽とフレデリクは身支度を整えると、開演時間に間に合う様にヘンリーが運転する車でROH(ロイヤル・オペラ・ハウス)へと向かう。

劇場のエントランスを抜けロビーで待ち合わせの約束をしていたウィリアムと落ち合い、席へと向かう。

彼等の席は3階のバルコニーのボックス・シート。

ロートマン家は年間を通して、この4席を買い上げているらしい。

端の方となる為少し見づらいが、ボックスと言う事もあり、他の席と仕切られている為、気楽に観劇が出来る。

とは言え、完全に仕切られている訳ではないのだが。

この日の演目は『ロミオとジュリエット』だ。

言わずと知れた、イギリスの代表作家シェークスピアの悲劇である。

「私、そう言えばちゃんと読んだ事がなかったかも…」

綾芽はプログラムを見ながら、そう呟く。

余りにも有名なストーリーである為、あらすじを知っていて読んだ気になっていたところがあったのだ。

「大方のあらすじが分かっていれば楽しめると思うよ。バレエは踊りを楽しむ物だしね」

そう言って安心させるウィリアム。

彼は二人が座席に落ち着くと、立ち上がって『それじゃあ、後は二人で楽しんで』と言って、鑑賞する事なく、その場を後にした。

彼は、弟の為にこの鑑賞会を企画したのだ。

残り少ない時間を二人の想い出作りにと。

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