お嬢様♡レッスン
第15章 Lesson 5♥優しくタッチしましょう
「お嬢様、一般的な“ド”はどれか分かりますか?」
「えっと…これですよね?」
綾芽は速水の問いに答えるべく、一つの白鍵をポーンと鳴らす。
「正解です。因みに私達が一般的に“ドレミファソラシド”と言っているのはイタリア式なんですよ」
「えっ!そうなの?日本じゃないんですか?」
「ええ、日本は“イロハニホヘト”です。よく、作品名に“ニ短調”とか“ホ長調”とかあるでしょう?あれは日本式の言い方ですね」
「そうだったのね。初めて知りました」
「因みに“イ”はドイツ式と同じこの位置です」
そう言って速水は綾芽が叩いた“ド”の左2つ隣の白い鍵盤を叩いた。
「そこって“ラ”ですよね?」
「そうです。古代ギリシャではこちらの“ラ”が最低音とされ、中世ヨーロッパの時代にこの音にアルファベットを割振ったのがドイツ式の音名になります。日本はそれに倣っているので、始まりは同じ“ラ”からになるんですよ」
「それで、中途半端な所から鍵盤が始まってるんですか?」
「恐らくそうでしょうね。私もそこまでは詳しくはありませんが、人間の耳が感知出来る音の周波数にも関係しているようですよ?」
「難しい……」
「音楽は楽しむ為にありますから、難しい理論や何かは置いておいて…右手の主旋律から覚えて行きましょう」
「はい!先生!!」
「私が最初に弾きますので、それを真似してみて下さい」
先ず速水が最初の4小節弾き、綾芽がそれを真似する。
クリアしたら先へ進む。
速水は根気強く指導した。
「お嬢様、力が入り過ぎですよ?鍵盤を壊すおつもりですか?もっと優しく…」
「こう…ですか?」
「違います。………こうです」
速水は綾芽の背後から覆い被さる様に鍵盤に手を置くと、彼女の手に優しく手を重ね補助をする。
速水からふわっと漂う香水の甘い香りが鼻腔を擽り、綾芽の心拍数を上昇させる。
「お嬢様、今のところをもう一度!」
「はっ、はい!」
無意識なのであろうが、速水の手が綾芽の太腿や背中でトントンとリズムを取る。
触れられている緊張感で、どうしても力が入ってしまう。
それでも、綾芽は何とか1ページ目の主旋律を弾ける様になった。
「えっと…これですよね?」
綾芽は速水の問いに答えるべく、一つの白鍵をポーンと鳴らす。
「正解です。因みに私達が一般的に“ドレミファソラシド”と言っているのはイタリア式なんですよ」
「えっ!そうなの?日本じゃないんですか?」
「ええ、日本は“イロハニホヘト”です。よく、作品名に“ニ短調”とか“ホ長調”とかあるでしょう?あれは日本式の言い方ですね」
「そうだったのね。初めて知りました」
「因みに“イ”はドイツ式と同じこの位置です」
そう言って速水は綾芽が叩いた“ド”の左2つ隣の白い鍵盤を叩いた。
「そこって“ラ”ですよね?」
「そうです。古代ギリシャではこちらの“ラ”が最低音とされ、中世ヨーロッパの時代にこの音にアルファベットを割振ったのがドイツ式の音名になります。日本はそれに倣っているので、始まりは同じ“ラ”からになるんですよ」
「それで、中途半端な所から鍵盤が始まってるんですか?」
「恐らくそうでしょうね。私もそこまでは詳しくはありませんが、人間の耳が感知出来る音の周波数にも関係しているようですよ?」
「難しい……」
「音楽は楽しむ為にありますから、難しい理論や何かは置いておいて…右手の主旋律から覚えて行きましょう」
「はい!先生!!」
「私が最初に弾きますので、それを真似してみて下さい」
先ず速水が最初の4小節弾き、綾芽がそれを真似する。
クリアしたら先へ進む。
速水は根気強く指導した。
「お嬢様、力が入り過ぎですよ?鍵盤を壊すおつもりですか?もっと優しく…」
「こう…ですか?」
「違います。………こうです」
速水は綾芽の背後から覆い被さる様に鍵盤に手を置くと、彼女の手に優しく手を重ね補助をする。
速水からふわっと漂う香水の甘い香りが鼻腔を擽り、綾芽の心拍数を上昇させる。
「お嬢様、今のところをもう一度!」
「はっ、はい!」
無意識なのであろうが、速水の手が綾芽の太腿や背中でトントンとリズムを取る。
触れられている緊張感で、どうしても力が入ってしまう。
それでも、綾芽は何とか1ページ目の主旋律を弾ける様になった。