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お嬢様♡レッスン

第109章 葛城の憂鬱

「ありません。貴女は田所専務の専属秘書でしょう?私には構わず、専務の仕事をフォローして下さい」

そう言って葛城は引き攣った笑顔を彼女達に向けると部屋から追い出す。

これが、10分~30分間隔で行われるのだ。

この会社の業績が振るわないのは、これが原因なのではないだろうかと思わざるを得ない。

社員達の意識改革が必要である。

葛城は赴任して来てからの三日間で、その結論に達した。

この会社に勤める者は凡そ300人程度。

規模的に言えば中小企業である。

人員的には、仕事をしない社員を飼っておく余裕等ない筈だ。

彼は社員を管理するデータベースにアクセスをすると、社員一人ひとりのデータを確認していく。

東乃宮グループの社員の情報はこのデータベースに全て入力される事になっている。

応募書類から面接時の対応、履歴書、入社してからの職務内容、勤務態度等がここに細かく入力される事が義務付けられていた。

グループ役員は全員、このデータベースにアクセスし、グループに所属する社員達の情報を閲覧する権限を与えられている。

そして、各会社の人事部門の社員達がこれを管理し、入力する権限を持っている。

但し、人事部の社員達は自社のデータベースのみの閲覧権限しかない。

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