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お嬢様♡レッスン

第109章 葛城の憂鬱

勿論、彼等の中には多忙を極める者も多い。

宗佑をはじめとする東乃宮一族はグループを存続させる為に、日々忙しく世界中を動き回っている。

それに引き換え外様の大抵の役員達は、接待ゴルフやら視察やら会議やらで一見忙しい様に見えてはいるが、ほぼ遊んでいるのも同然なのだ。

勿論、接待のゴルフも視察も重要な仕事ではあるのだが。

外様の役員達は叩き上げられて今の地位に居る。

そこまで到達するには、他者との競争を勝ち抜いて来た筈だ。

時には他者を出し抜いて。

その力を発揮して貰おうではないか。

中でも中小企業の役員達に。

しかし、それでも不安は残る。

横の繋がりがあれば、馴れ合いになり兼ねない。

本当にグループの為を思って動ける信頼のおける者が必要だ。

そこで思い当たるのが黒崎なのであるが、彼は秘書になる事を希望している。

綾芽の為に。

彼女の力になりたいと。

他に誰かいないだろうか。

東乃宮の為に動ける人物で、現在フリーの者。

一人だけ思い浮かんだが、果たして彼に務まるのだろうか。

人当たりは良く、社交的ではあるが、こう言った事に明るいとは思えない。

しかし、背に腹は代えられない。

自分が叩き上げるしかない。

葛城はあれこれ考えた末に、その人物にコンタクトを取ってみる事にした。

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