
お嬢様♡レッスン
第109章 葛城の憂鬱
「本社でって事?良い話じゃない!でも、グループには既に監査機関があった筈だけど…」
「それでも穴はあるって事でしょうね。東乃宮グループは大きいですから」
恵莉奈の言葉を受けて姫川がそう言った。
「それで、受けるの?」
恵莉奈は身を乗り出して速水に尋ねる。
「でも、俺に務まるかどうか…。真琴みたいに経営学とか経済学に明るいわけじゃないし…」
「そこは葛城が何とかしてくれるでしょ!必要とされているのは、東乃宮への忠誠心だと思うわ。だから邸で働いていた貴方に声を掛けたのだと思うけど?」
「でも、俺は今、充実しているし、これを成功させたいって思ってるんだ」
「ふふっ。有難う。だけどこれはチャンスだと思うわ。貴方はまだ綾芽さんの為に働きたいって、そう思ってるんでしょう?」
「でも…俺は…」
「まぁ、辛い現実を突き付けられるでしょうけどね。綾芽さんは葛城と結婚するって事は、ほぼ決定事項だしね」
「こちらの事は恵莉奈様と私とで何とかなりますのでご心配には及びません。逆に貴方にいつまでも恵莉奈様の傍に居られると私が落ち着きません」
「あら?姫川、それは嫉妬かしら?」
「当然でしょう?遊びであったとは言え、速水は貴女と関係を持っていたのですから」
「姫川…」
「恵莉奈…」
甘い雰囲気を醸し出した二人に居心地が悪くなった速水は、早々に退散する事にする。
ここが正念場なのかも知れない。
綾芽との関係改善。
自分の恋のけじめ。
速水はじりじりと肌を焦がす夏の太陽を見上げながら、遠い国に居る綾芽の事を思い出していた。
「それでも穴はあるって事でしょうね。東乃宮グループは大きいですから」
恵莉奈の言葉を受けて姫川がそう言った。
「それで、受けるの?」
恵莉奈は身を乗り出して速水に尋ねる。
「でも、俺に務まるかどうか…。真琴みたいに経営学とか経済学に明るいわけじゃないし…」
「そこは葛城が何とかしてくれるでしょ!必要とされているのは、東乃宮への忠誠心だと思うわ。だから邸で働いていた貴方に声を掛けたのだと思うけど?」
「でも、俺は今、充実しているし、これを成功させたいって思ってるんだ」
「ふふっ。有難う。だけどこれはチャンスだと思うわ。貴方はまだ綾芽さんの為に働きたいって、そう思ってるんでしょう?」
「でも…俺は…」
「まぁ、辛い現実を突き付けられるでしょうけどね。綾芽さんは葛城と結婚するって事は、ほぼ決定事項だしね」
「こちらの事は恵莉奈様と私とで何とかなりますのでご心配には及びません。逆に貴方にいつまでも恵莉奈様の傍に居られると私が落ち着きません」
「あら?姫川、それは嫉妬かしら?」
「当然でしょう?遊びであったとは言え、速水は貴女と関係を持っていたのですから」
「姫川…」
「恵莉奈…」
甘い雰囲気を醸し出した二人に居心地が悪くなった速水は、早々に退散する事にする。
ここが正念場なのかも知れない。
綾芽との関係改善。
自分の恋のけじめ。
速水はじりじりと肌を焦がす夏の太陽を見上げながら、遠い国に居る綾芽の事を思い出していた。
