
お嬢様♡レッスン
第109章 葛城の憂鬱
一方、電話を切った葛城は、受話器を置くと椅子に身を沈め、ホッと一息吐くと橘あかりが淹れたお茶を一口飲んだ。
「不味い…」
冷めてしまっているからとは言え、ここまで不味くなるものだろうか。
お茶は底が見えない程、濃く濁っている。
ここの役員達は、これを何とも思わないのだろうか。
それとも言えないのだろうか。
彼女の父親は本社勤務の役付きだ。
これも何とかしなければならない。
ふと時計を見ると短い針は三時を指している。
「はぁ───っ……」
それを見て葛城は、また深い溜息を零す。
そろそろまたアレがやって来る。
そう思った矢先の事だった。
コンコンと扉を叩く音が彼の鼓膜を震わせる。
「失礼しまぁす。三時のお茶をお持ちしましたぁ」
そう言って、先程は菓子を持って来た須藤ひとみが盆にカップを載せて入って来る。
「入室を許可した覚えはありませんが…」
そう言って葛城が微かに眉根を寄せているのにも構わず、デスクに近寄って来ると、彼の前に紅茶のカップとケーキ皿をカチャカチャと音を立てながら置いた。
「橘さんのぉ、お茶はぁ、美味しくないと思ったのでぇ、お紅茶を淹れて来ましたぁ」
語尾を伸ばした甘えた声で、須藤ひとみはそう言って、盆で口元を隠しながら上目遣いで葛城を見ながらそう言う。
「不味い…」
冷めてしまっているからとは言え、ここまで不味くなるものだろうか。
お茶は底が見えない程、濃く濁っている。
ここの役員達は、これを何とも思わないのだろうか。
それとも言えないのだろうか。
彼女の父親は本社勤務の役付きだ。
これも何とかしなければならない。
ふと時計を見ると短い針は三時を指している。
「はぁ───っ……」
それを見て葛城は、また深い溜息を零す。
そろそろまたアレがやって来る。
そう思った矢先の事だった。
コンコンと扉を叩く音が彼の鼓膜を震わせる。
「失礼しまぁす。三時のお茶をお持ちしましたぁ」
そう言って、先程は菓子を持って来た須藤ひとみが盆にカップを載せて入って来る。
「入室を許可した覚えはありませんが…」
そう言って葛城が微かに眉根を寄せているのにも構わず、デスクに近寄って来ると、彼の前に紅茶のカップとケーキ皿をカチャカチャと音を立てながら置いた。
「橘さんのぉ、お茶はぁ、美味しくないと思ったのでぇ、お紅茶を淹れて来ましたぁ」
語尾を伸ばした甘えた声で、須藤ひとみはそう言って、盆で口元を隠しながら上目遣いで葛城を見ながらそう言う。
