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お嬢様♡レッスン

第109章 葛城の憂鬱

本社が介入するのはその後の事だ。

彼等の返答次第では、この会社を傘下から外す事も考えておかねばならないだろう。

もしくは、本社に吸収し大改革を行うか。

当然、現在の社員の半分以上は解雇にせざるを得ない。

出来ればそれはしたくはないが。

そうなる前に何とか社内で最良の改革を進める事。

それが葛城に課せられた任務であろう。

物思いに耽っている葛城の顔を須藤ひとみはうっとりと見つめる。


艶やかな黒髪は後ろに流されて。

眼鏡の奥に光る知的な瞳は何かを見据えており。

顎に添えられた手は男らしく血管が浮き出ていて、指は細くしなやかで。

その指で身体中を蹂躙されたい。


須藤がそんな風に思った時には、既に行動に移していた。

彼女は葛城にそっと近付くと、革張りの椅子の背凭れに手を掛け、それに力を加えて葛城の身体ごと、椅子を回転させる。

「…!?」

須藤ひとみは、驚いた顔を見せる葛城の膝の上に座り、彼の手を取ると自分の胸に押してた。

「何をしているんです?」

「葛城取締役ぅ…。ひとみ…身体が熱いの…。ねぇ?ひとみを…食べてぇ?」

須藤は甘えた声でそう言うと、葛城の手の上から自分の胸を揉みしだく。

「馬鹿な事はお止めなさい」

葛城は静かな声でそう言うと、手を引き抜こうと動かした。

それを須藤の手が追い掛け捉えると、再び自分の胸に置く。

「遠慮しないでぇ?」

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