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葛城は給湯室へ向かうと、まず緑茶の淹れ方から指導する事にした。

彼はまず、茶筒を開けて茶葉を確認する。

「玉露をお使いの様ですね。これは…八女の茶葉でしょうか…」

そう言いながら葛城は、玉露の淹れ方について説明していく。

通常の『緑茶』と言われ一般的なのは『煎茶』と呼ばれるもので、こちらは上級の物で70℃くらい、並の茶葉で80℃から90℃くらいの温度の湯で淹れると美味しいと言われている。

玉露について言えば、50℃から60℃くらい。

高いお茶程、低い温度で抽出時間をかけて茶葉から旨味を引き出すのである。

紅茶の淹れ方と同じ様に、急須と湯呑を温めておく事がポイントだ。

もし、沸騰した湯を使うのであれば、最初に急須に湯を注いで温め、その後に湯呑にその湯を注ぎ、湯の温度を下げていくと無駄がなく、効率的である。

茶葉の量は一人分で３から４グラム程度。

一度目の抽出は２分半程。

一番煎じの場合は50℃の湯で抽出するのが理想的である。

「お茶は全て注ぎ切って下さい。それから、各湯呑の中のお茶の濃さが均一になるように、考えて注いで下さい」

そう言って、実際に湯呑に茶を注ぐ様にと葛城は橘に指示をする。