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お嬢様♡レッスン

第111章 葛城の改革

「その為には、社員も会社も努力をする必要がある。そう思いませんか?」

そう言うと葛城は厳しかった表情を緩める。

「勿論、努力を怠らない社員にはそれなりに見合った評価を致します。昇給、昇格、希望があれば、グループ本部への移動も可能です。唯、本部の人達は仕事への意識が高い方々ばかりですから、並大抵の努力では難しいでしょうけれどね…」

『それは貴方がたも同様ですよ』と葛城は付け加えた。

「本部としての意向はお伝えした通りです。研修については、来週早々に通達し、2週間後から始めます。質問はありますか?」

葛城は二人の顔を見ながら、そう言うと、総務部長が口を開いた。

「研修中の業務は如何されるのですか?」

「研修と言っても、どこかに集めて行う訳ではありません。本部の人材開発事業部から人を呼び、それぞれの部署で業務を行いながら、指導して貰います」

「そうですか。現場に支障がなければ、問題はないですね」

「ええ。その点は考えております」

「それでは早速、準備に取り掛かります」

総務部長はそう言うと、書類を纏めて立ち上がった。

「葛城取締役、私は少しワクワクして来ました。努力を怠らなければ報われる。今まではそうではありませんでした。結局のところ、どんなに一人が頑張っても、全体の結果でしか評価がなされない。これでは個々の士気も段々下っていきます」

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