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お嬢様♡レッスン

第112章 葛城の秘書教育

次に担当の役員が出社をしたら、彼等へのお茶出し。

お茶の淹れ方は、葛城が秘書達を纏めて直接指導した。

複数人居れば、橘あかりも馬鹿な真似は出来ない。

二人きりにならない。

隙を見せない。

そうする事で何とか橘の色仕掛けを回避する。

外部からのお客様への対応、書類の閉じ方、機密書類の扱い方。

取引先の会社内で不幸があった場合の対応も、秘書の重要な仕事である。

スケジュールを確認し、急で出席出来ない場合の対応や、出席する場合の対応なども覚えておかなくてはならない事の一つだ。

秘書は一般常識にも長けていなければならない。

「秘書の仕事が出来れば、私、いいお嫁さんになれそうですね!」

ある日、葛城の役員室でデスクを拭きながら須藤がそう言った。

「そうですね。この仕事をこなす事が出来れば、何処へ出ても恥ずかしくない女性になれると思いますよ」

「そうですよね!そう言ったら橘さんも少しはやる気になってくれるでしょうか?」

須藤は、一向に仕事に意欲を見せず、言われた事をこなしているだけの橘あかりの事を思い出すとそう言った。

橘はまだ、葛城の事をしつこく追い掛け回している。

彼が自分に取り入っても、何のメリットもない事を説明してるにも関わらず。

それは橘の意地みたいな物なのかも知れない。

須藤はそう思った。

恐らく後には引けなくなっているのだろうと。

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